大分の春の歌

 今日の大分は激寒い! 梅も満開、土筆も顔を覗かせる工場の敷地にちらちら雪が待っている。こんな日はついつい「♪春は名のみの風の寒さや」なんて『早春賦』の一節が口に上ってしまう。実は私最近になるまで知らなかったのだが、この『早春賦』の作詞者・吉丸一昌氏は大分・臼杵の出身らしい。先日の出張で臼杵駅で電車待ってて記念館の案内があるのに気づいたんだよねー。

 大分の春といえばもう一つ、こちらの方が有名かなと思える歌がある。「♪春高楼の花の宴」で始まる『荒城の月』だ (2番は「秋陣営の霜の色」なので“春の歌”とは限らないですが)。こちらは作曲者・滝廉太郎が竹田の出身で、荒廃した岡城の史跡に着想を得て土井晩翠の詞に曲をつけたという。ちなみに私は大分に来る前には仙台に住んでいたので仙台城址も岡城址も見てるんだけど、仙台城は既に何がどうなってたのかよく分からないし、岡城は今や綺麗に整備されていて「荒城」のイメージが湧かない…… (^^;)。あ、滝廉太郎ならもっと有名な春の歌『花』があったなぁ (こっちはいきなり「隅田川」なので大分もへったくれもないけど)。

 今日は寒いけど大分は来週にはもう桜の開花予想も出ている。『早春賦』の季節はそろそろ終わり。九州に来て残念に思うのは、春の有難味が東北にいた頃より薄れていること。やっぱり冬の寒さが厳しいからこそ春の暖かさが嬉しいんだよね。それにしてもあぁ……今年もまたふきのとうの天ぷら食べ損ねたな (苦笑)。