『機動戦士ガンダムAGE 〜MEMORY OF EDEN〜』先行上映会行ってきました
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諸事情で亀レポートとなり御免なさい。去る6/29(土)、来月発売の OVA『機動戦士ガンダムAGE 〜MEMORY OF EDEN〜』の先行上映会に行って参りました。実は私はこの作品を全く知りませんで、当選した友人にお誘い頂いたという幸運 (そんなんばっかりですね…持つべきものはラッキーな友!)。今回の OVA はテレビ放映版を補強しつつ別視点でまとめた総集編だそうです。発売前の作品ですので「Wikipedia 等で書いてあることは公知の事実」という判断の元、ネタバレにならないと思われる範囲で感想など。全くのゼロから楽しみたい方には、この続きを読むのはお勧めしません。
まず一番重要なことですが「面白かった」です! 総集編なので予備知識ゼロだと分からない点も多々あるのですが、気になったら視聴後ネットで調べれば足りるレベル。OVAは主に2代目のアセム・アスノの時代が舞台 (『AGE』は親子3世代に亘る物語です…と書くとジョジョみたいだな)。但し、主人公はアセムではなく敵キャラのゼハート・ガレットです。これくらいならネタバレではなく宣伝…だよね? 全150分の作品で前半と後半に分かれているんですが、後半のクレジットはゼハートが一番最初だった (笑)。ちなみにこの150分という時間、「120分、新作映像20分」の予定が「150分、新作映像は2.5倍 (※50分ということでしょうか?)」に大幅オーバーしたものらしい。テレビ版の映像を使ってるシーンでもアテレコは一部やり直しているそうです。
前半はテレビ版でいうところのアセム編。ゼハートがアセムの通う学校へ潜入する部分はほぼ新作エピソード…らしい (友人談)。思いっ切りネタバレになるので詳しくは明かせませんが、ギャグも散りばめつつアセムとゼハートの友情が丁寧に描かれています (腐女子向けとも言うがね)。友人曰く、ヒロインのロマリーもテレビ版より存在感があったらしい。前半の後ろの方はアセム達の連邦軍入隊後のエピソード。TV放映済みなので敢えて書きますが、戦闘前の結婚の約束ってやっぱフラグなのね…整備士の方が死ぬとは思わなかったけどな (^^;)。
後半はいわゆるキオ編ですが、主人公はキオ (アセムの息子) ではなくやはりゼハート。彼視点で重要エピソードだけまとめているので初見でも物語に没頭できました。知らない単語がボンボン出てきますけど (マーズレイとか EXA-DB は後で調べた…さらっと流すので邪魔にはならないと思う)。唯一非常に気になったのは最後のシーン! 某キャラ達の名前だけが画面に登場して「誰だこいつら」と…この人達 OVA には出てなかったんだよね。
後半はプロデューサー曰く「テレビ48話のやり直し」だそうです。見てない私に比較はできませんけど、OVA のゼハートが敗北に至る過程はすんなり納得できるものだったと思います。アセムとの最期の会話シーンでは会場内ですすり泣く声が…て、後ろの腐女子共ざわざわ忍び笑いすんなぁ!! お陰で私はものすごーく冷静に見ていられました (笑)。ゼハートに「使い捨てられる」敵側ヒロイン・フラムの揺れる感情もしっかり描かれてるのですが、性格や設定自体は好きなんですが色々狙いすぎのキャラデザで…MSまでアレで引いてしまった (すいません)。まあ、構成は綺麗にまとまったんじゃないでしょうか?
友人曰く『AGE』は子供受けを狙った結果 (視聴率的に) 最低評価に終わった作品だそうで、スタッフにも忸怩たる思いがあったのではないかと想像します。でもこの OVA で評価も多少変わるんじゃないかな? 少なくとも『ガンダムW』よりははるかに面白かったぞ…と、ガンダムは『W』しか知らない私が擁護したくなるくらいには面白かったですよ (笑)! あんまり宣伝にならないレポートで申し訳ありませんが、テレビ版見てたけどつまらないと思ってた方、見てなかったけどガンダムシリーズが好きな方、神谷浩史さんのファンの方 (←) には自信を持ってお勧めしたいと思います。最後に、貴重な上映会に誘って下さった samidare さん、どうも有難うございました☆
コメント
私も小学生の弟を連れて行きました。
私自身はAGEからガンダムに入門したのでとても作品としては思い入れが深いのでOVAまで出て嬉しいです。
録音し直しのシーンも分かるくらいAGEに思い入れがあります。
ちなみに、当時48話を見たときに55秒でゼハートが撃墜された時には
「ほう、これがいつしかイゼルカントが言っていた『Xラウンダーとは人類の退化』の伏線回収か。」
と納得してました。
兄であるデシルを見殺しにした時点からゼハートは次第に人間からの退化を始め、最後にフラムを失ったことでついに人間から完全に退化してしまったのだと考察してました。
そして人間であるアセムにとって、退化したゼハートは既に敵ではなかったという感じで。
そうすれば、FXバーストで暴走したキオも一度は退化に近づいたということになります。
しかし、ゼハートには無かったもの(たぶん家族愛)を持ち合わせていたキオは暴走を抑え、退化しないXラウンダーLV.2(ゲームではそういう能力の分類がされていたはず) へと進化を遂げ、ゼラをも救えた。
とか深淵なことを考えてました。
ガンダムXとはまた違った方法でニュータイプ否定を行ったなと思ってました。
逆に今回のMOEではそれら分かりづらい深淵なテーマを一切排斥して、純粋にアセムとゼハートと言う二人の男の拳のぶつけ合いを見られた気がします。とても分かりやすく、見てて痛快でした。
そしてMOEを見たからこそ気づきました。アセムは終戦の直接の原因として全く関与していないことに。そういう意味では、アセムはゼハートを倒した時点で既に彼の戦争は終わったのではないかと思います。
実際、ヴェイガンと連邦の橋渡しを行ったのはキオとフリットであり、二人とも形は違えども終戦を願っていました。しかしアセムは終戦を望まず、膠着状態へ陥らせることを良しとしていました。
今回のMOEのエンディングへの入りを考えるとアセムにとっての百年戦争はどこまでかということがよく分かりました。
なんにせよ、フラムがちゃんと踏み切ってくれたことで、なんとなく報われたような気がします。後悔せずに死ねたというか。
それとラストシーンの一枚絵。これは私のみならず、多くのAGEファンが待ち望んだものだと思います。
MOEは死者が死して報われたって感じです。
- Written by
- sakurae
- Posted on
- 2013-07-11?20:17
西雀O太さん初めまして、コメント有難うございます!
私は上映会後にWikipedia読んだくらいの情報収集しかしていないのですが、
元々子供を狙った作品と聞いていたためモチーフの多さ深さに驚きました。
OVAは本当にダイジェスト…じゃなくて、ゼハートの視点にぐっと絞ったものだったんですね。
他のキャラを主役に据えたらまた他の物語が出来ていたのではないかと想像します。
記事中にも書いた通りガンダムはWしか知らないのですが (後はGガンダムを少し…)、
今回の OVA は私が正統派のガンダムシリーズに対して漠然と抱いていた
「信念」や「人の成長」や「戦いの悲しさ」みたいなものがギュッと詰まった作品でした。