桜恋唄
幽遊白書・黒鵺×蔵馬中心、桜枝真央の同人的創作の館

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逢 [5]

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二人の武器は微妙なコンビネーションで (以下略) ……と映画パンフにあったので (笑)。

 先程まで空だった黒鵺の手にはいつの間にやら鎌が握られていた。一瞬のうちに敵は斬られて後ろに倒れた。しかし黒鵺はそちらには見向きもせず、蔵馬に向かって悪態をついた。

「勝手にしろ! オレも可愛くねーオンナ守る義務はないからなっ!」
「何だって!?」
「覚悟しろ曲者がっ!!」
「…うるさいっ!」

 間に割って入ってきた兵士達を、蔵馬と黒鵺が同時になぎ倒した。二人に襲い掛かる兵が次々に倒れて山を作り、無事な兵は策もないままがむしゃらに二人に飛び掛かった。

「死ねぇコソ泥!!」
「くそっ、まだ動けんのか!」
「邪魔なんだよっ…!!」

 黒鵺と蔵馬が、同時に武器を繰り出した。

「!!……」

 …その時、“信じられないこと”が起きた。黒鵺の鎌と蔵馬の鞭、二人の攻撃がぴたりと重なり、空気を激しく震わせて大きな波動を作り出した。

(エッ……?)
(…何だ…!?)

 波動は唸りを上げ、生命が宿った“龍”か何かのように敵に襲い掛かった。そのまま波動は兵と廊下の石壁を一瞬のうちに飲み込み砕け散った。

「……!!……」
(今……何が起きた……!?)

 二人は信じられないような表情でその光景を眺め、その後互いの顔を見つめ合った。

「くそおっ!! よくも……!!」

 何とか足腰の立つ兵達が体制を立て直し、黒鵺と蔵馬に飛び掛かった。二人は互いの武器を振り回し、敵を次々になぎ倒していった。彼等の操る武器は宙で微妙に絡み合い、よく練られた舞のように完璧なコンビネーションを見せた。

(凄い……何でこんなに息が合うんだ!?)
(オレがこいつに合わせてるんじゃない。でも…こいつがオレに合わせてる訳でもない……!)

 戦闘が長引くほどに同調 <シンクロ> する感覚が深まっていく。二人の顔は今まで体験したことのないような興奮で輝いていた。とうとう目の前の兵士は二人になってしまった。黒鵺と蔵馬は武器を構え直し、それぞれの技をもって最後の敵を蹴散らした。

(……すっげぇ……)
(……快っ感……!!)

 すっかり廃墟となってしまった廊下で武器を引き、二人は自然と顔を見合わせた。黒鵺がニッと笑った。

「行くぜ!」
「ああ!」

 蔵馬が頷いた。二人は宝物庫を目指し、更に奥へと駆け出した。

 月影はないがそのためか満天の星がいつもより美しく瞬いている。夜行生物が徘徊する森の中の小さな野原に、二つの人影が飛び込んできた。木々の間を渡ってきた人影は地面に降り立ち、ふーっと大きな息を吐いた。それは、たった今桂花殿を脱出してきたばかりの黒鵺と蔵馬だった。

「……」
「……ふっ……」

 自然と視線を交わし、二人の顔が緩んだ。

「…あーっはっはっはっはっ…!!」
「ははははははっ……!!」

 豪快に笑い出し、二人は地面にドサッと腰を下ろした。黒鵺が傍らの蔵馬を振り返った。

「おいお前、欲の皮突っ張りすぎじゃねーの!?」
「そっちこそ、もっと手加減してやれよ!」

 蔵馬も応戦した。軽口を叩き合う二人の両手には山のような財宝が抱えられていた。二人は目配せし、それを一斉に目の前に投げ出した。ジャラジャラという音と共に、金銀宝石が星の光を集め目映く輝いた。

2005-06-14 00:16

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