桜恋唄
幽遊白書・黒鵺×蔵馬中心、桜枝真央の同人的創作の館

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邂逅 [26-16]

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原作は「億年樹」、アニメ版はその「化石」という訳でアニメ版に基づいてます

 飛影は腕を組み、一層険しい顔で闘技場の方を見遣った。
 と、

「!!?」

 突如、会場全体が大きく傾いた。

「地震か!?」
「違う! 何かが動いてる!!」

 誰かが叫んだのと同時に、地面に深い亀裂が走った。

「うわあぁ!?」

 突然、A闘技場付近の大地が二つに割れた。と同時に、太い触手のようなものが猛烈な勢いで突き上げ、裂け目から溢れ返るように姿を現した。

「これは、木!?」
「億年樹だ!!」

 暴れ回る触手の正体は、この一帯の地下に張り巡らされ、闘技場の土台ともなっている億年樹の根だった。幾星霜も前に死に絶え化石となったはずの植物が今、生命の脈動を取り戻しA闘技場を呑み込もうと暴走していた。

「すげぇ、蔵馬が操ってるんだ!!」

 縦横無尽に蠢く億年樹の根から逃れようと、A闘技場近辺の観客席は大混乱へ陥った。

《おーっと蔵馬選手、これは前回トーナメント三回戦での大技リバイバル!! 化石化していた億年樹を復活させ、躯選手にぶつけた! さあ、躯選手どう出る!?》
「アホ〜!! それどころじゃねーだろがっっ!!」

 鈴木が叫んだ。と……

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………………!!!

 激しい地鳴りが起こり、一瞬、スクリーンの映像が乱れた。

 ドオオォォォォン!!!

「うわああぁぁぁ!!」

 耳をつんざくような轟音がして、皆耳を塞ぎその場に縮こまった。

「……うっ……」
「あ!!」

 場内が一瞬、静まり返った。激しい揺れに持ち堪えたスクリーンが映し出していたのは、億年樹の内部に呑み込まれたA闘技場の巨大リング。そして大樹の根に締めつけられ、砕け散った機械の残骸──

《……い、11095番・蔵馬選手、予選突破です……!!》

 砂埃が途切れ、廃墟の中に、髪の長い女の影が浮かび上がった。破壊を極めた億年樹の触手が動きを止めて再び地面へと吸い込まれた。そして会場は、元の静けさへ戻った。

[第27章へ続く]

2012-01-05 21:20

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