桜恋唄
幽遊白書・黒鵺×蔵馬中心、桜枝真央の同人的創作の館

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邂逅 [26-15]

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御免ね凍矢、蚊帳の外で…(あ、言っちゃった

「しっかし蔵馬も運が悪いよなぁ、予選でいきなり躯かよ。」
「仕方ない、くじ運も実力のうちさ。」
「おや冷たいこと、やっぱ彼女には早々に負けてもらった方が気が楽か?」
「な、何だと!?」
「お前は例の“争奪戦”に参戦中だもんなぁ。」
「べっ、別にオレは!」

 食って掛かる凍矢を適当にあしらい、鈴木はちらりと他の参戦者達を窺った。二人から少し離れた場所、寛いだ様子で黄泉が実況に耳を傾けていた。その奥では楠樹が無表情で映像を見上げていた。

(黄泉は躯の勝利を確信してるな。だが、あの楠樹という男の考えはさっぱり読めない。)
「おい見ろ!」

 誰かが声を上げた。A闘技場は激しい技の応酬となっていた。躯の妖気弾が蔵馬の操る植物を吹き飛ばし、辺り一面に千切れた残骸が飛び散った。

《おーっと、やはり躯選手優位か!? 蔵馬選手どうする!!》

 実況中の小兎が叫んだ。蔵馬は次々と魔界植物を召喚し躯にぶつけた。しかし、躯はそれらが自分に襲い掛かる前に全て粉々に打ち砕いた。

「フン、躯を相手に実力を測りながら戦おうと考えるのが間違いだ。」
「飛影!」

 鈴木と凍矢が振り返った。二人の背後に腕を組んだ飛影が立っていた。

「おう、お前も出番はまだか?」
「今日中かと思っていたが鴉のせいで遅れそうだ。それより躯のヤツ、一体何を遊んでいるんだ?」
「フン、本気の蔵馬がそう簡単に隙を見せる筈がないだろう。」
「なに?」

 凍矢が即座に反論し、飛影の顔が険しくなった。鈴木が早速茶々を入れた。

「お、飛影対凍矢! 男の場外乱闘か?」
「うるさいっ!」

 飛影と凍矢が同時に叫んだ。炎と氷、只でさえ相容れない二人が各々想いを寄せる女の闘いにヒートアップ……

(身長も似てるしなぁ。)

 失敬なことを思い付き、鈴木はほくそ笑んだ。
 その間にもA競技場の闘いは熾烈を極めていた。蔵馬の繰り出す植物は次第に巨大になり、躯の攻撃も次第に吸収され始めた。場内の歓声も一段と盛り上がり、贔屓の名前を叫ぶ声も聞こえ始めた。

「すげーなこの熱狂ぶり、まるで本戦だぜ。」
「だが、躯のヤツおかしくないか? 何であんなにてこずって……」
「いや、おかしいのは蔵馬の方だ。実戦から遠ざかっていたヤツにあれ程の力があるとは思えない。」

 飛影が答えた。躯が余裕を失っているのに伴い、彼もまた落ち着かない様子だった。

「しかし前回は人間の姿で三回戦まで進んだんだ。妖狐の姿ならあれだけの妖気を放出してもまだ余裕があるんだろう。」
「……」

2012-01-05 21:18

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