桜恋唄
幽遊白書・黒鵺×蔵馬中心、桜枝真央の同人的創作の館

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Found It - 第8章 目覚め [2]

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ドラマで項羽と小龍を演じた ON/OFF に合わせました

「ああ、項羽の部屋にあったんだ。あいつはこれをカウントダウンに使っていたらしい。」
「そうなの? へーえ、項羽が日めくりなんて可愛いというか、何か意外。」
「兜丸もさっき同じことを言ってたよ。」

 笑いながら答える。ふと、先程の彼と麗羅のやり取りが頭を過ぎった。

『兜丸さんの部屋のカレンダーは可哀想ですよ。役に立つのは最初の5枚だけで、残りの360枚は日の目を見ることが出来ないんですから。』
『馬鹿言えお前、自分の誕生日くらいはちゃんとめくって悦に入るぜ!?』
 ──!?──

 私ははっと顔を上げた。

「もしかして……!」
「え、なに? どうしたの?」

 きょとんとした凪を尻目に、私は吊るした写真を勢いよく振り返った。

 ──十二月──

 二人が毎年、誕生日に撮っていた記念写真。幼少期を過ごした家、本陣の軒先、撮影場所は毎年違うものの画面には常に雪が写っている。来年の十二月、項羽と小龍は十八になる。

「……!」

 瞬間、私は全てを悟った。脳裡にありありと去年の記憶が蘇った。緑に染まる木漏れ日、騒がしい蝉の声。私を見つめていたあの眼差し……

(まさか!?)

 あの時、項羽は言っていた。「早く告白らないと間に合いそうもない」と。

 ──あいつ、まさか本気で?──
「糸が、繋がった……。」

 大きく息を吐きながら、私は思わずつぶやいた。

「よく眠ってるぜ。まあ、ただ眠っているだけならいいがな。」

 夢魔がそう言って、傍らに横たわる項羽を見遣った。

「本当に何から何まで厄介なヤツだ。よほど恐ろしかったのか、昏睡の中に閉じ籠ったままで全く精神支配を受け付けない。最悪の場合このまま一生眠り続けるかもしれん。」
「その前に、正気なのか。」
「さあ、手遅れかもな。」
「……」

 私は項羽の顔を見つめた。夢魔も彼に視線を向けた。

「項羽が今後覚醒するのか、もし覚醒したとしてその瞬間何が起こるのか、それはオレには分からん。一つだけ言えるのは、こいつを目覚めさせることが出来るのはこいつ自身だけということだ。」

2009-06-14 09:00

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