桜恋唄
幽遊白書・黒鵺×蔵馬中心、桜枝真央の同人的創作の館

RSS0.91 | RSS2.0 || 桜恋唄 (HOME) » 桜恋唄文芸集 » Our Promise Still Holds » Found It - 第6章 鉄の部屋 [4]

Found It - 第6章 鉄の部屋 [4]

Contents

contents

白虎は下着までは持ち去らなかったと思うんだけど…いやまさか…

「……何か、書き込みでもあればと思ったんだけどな。」
「項羽は手帳持ってたからね。それに普通、日めくりカレンダーに予定書き込むことはないと思うよ。」
「あの男は普通ではなかったがな。」

 思わずつぶやいてしまい、一同の視線が私に集中した。私は慌てて話を戻した。

「で、その手帳は今何処にあるんだ?」
「夜叉一族の白虎が持ってた。上着のポケットに入ってたんだ。それはとっくに項羽にも見せてる。」

 カレンダーをポケットに突っ込み、項羽が中から這い出してきた。

「何だお前、そいつに随分こだわるな。」
「気になるんだ。何故かは分からないけど。」
「ほう、」

 竜魔が微笑した。

「よく分からないが、初めてだな。お前が何かに反応するのは。」
「いい兆候かもね。」

 総司も頷いた。兜丸が皆を見渡した。

「さぁて、それじゃあ希望の光が見えたところで本日の作業に掛かりますか。」
「おぅ!」

 皆が各々の持ち場へと散っていった。現場には私と、項羽と小龍が残った。

「お前が、ここを開けようと提案してくれたんだって?」

 小龍が私に話しかけた。

「思い付きを口にしただけさ。開けたのは総司だ。」
「でも、お陰で何かを思い出せそうな気がする。有難う。」

 項羽が微笑んだ。私は少し戸惑い、小さく首を振った。

「それより小龍、よかったら私にも項羽の手帳を見せてくれないか。」
「いいけど、本当に事務的なことしか書かれてないぜ。」
「一応確認したい。皆には分からないよう符牒を仕込んでいるかもしれないから。」
「そうだな。そういうのはオレよりお前の方が得意そうだから、任せる。」

 小龍が頷いた。項羽が顔を上げた。

「そろそろ夢魔のところ行ってくる。十時の約束なんだ。」
「うん、また昼に。」

 小龍が答え、私を振り返った。

「手帳は昼休みに持ってくるよ。じゃあ後でな。」

 そういって彼は小走りで持ち場へ戻っていった。残された私は一人、再び鉄の部屋を覗き込んだ。暗い室内に「787」の文字がぼんやり白く浮かんでいた。

2009-06-14 09:00

||

コメント

まだコメントはありません。

このアイテムは閲覧専用です。コメントの投稿、投票はできません。

桜恋唄について | 管理人について | サークル情報 | サイトマップ