桜恋唄
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Found It - 第6章 鉄の部屋 [3]

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作者も日めくりカレンダーをまともに使えたためしがないです

 麗羅が深々と頭を下げた。はっとして私は総司を振り返った。

「お前っ……喋ったな!?」
「だって、余所者の私が単独犯扱いだと居心地悪いんだもの。大丈夫、『霧風はツンデレだから分かってやって』って言ったら皆納得してくれたよ☆」
「意味不明の説明をするなっ!」

 兜丸と麗羅が深く頷いている。私は溜息と共に肩を落とした。竜魔が振り返った。

「それで総司、何か見つかったか?」
「いや、それが全然。」

 パンドラの箱と思われていた空間は結局ただの書斎だった。私達はあの後クッションの詰め物の中まで漁ったが、手掛かりになりそうな物は見つからなかった。総司が例のノートをひらひらさせた。

「結局収穫はこいつと、後は黒板だな。」
「黒板?」
「謎の数字787。ちなみに部屋の鍵の番号でもないようだ。」
「そのノートは?」
「単なる学習帳だよ。陰でコツコツお勉強してたみたい。」

 竜魔がノートを受け取り、中身を確認した。ページごとに書き込まれた日付が変わっている。内容は兵法から英単語まで雑多かつ多岐に渡っていたが、透かしたり裏返したりしても特に変わったものは見当たらなかった。

「ほら項羽、何か思い出すことない?」

 小龍が項羽を連れてやって来た。項羽は穴から内部を覗きつつ、一種異様な空間に目を白黒させていた。

「…… あれ、」

 ふと彼が何かに目を留めた。皆も近寄って中を覗き込んだ。例の黒板の隣にあった日めくりカレンダーが昨年十月の日付を指している。

「ああ。お前が記憶を失くす前、この里にいた最後の日だな。」

 竜魔が答えた。

「前日に派遣先から戻ってきたんだが、直ちに小次郎の加勢に向かうようにと言われてオレ達と一緒に出発した。それきりお前は最近まで行方不明だったんだ。」

 後ろで兜丸が笑い出した。

「項羽が日めくりカレンダーを律儀に使ってるなんて意外だな。オレなんか思い出した時に数日まとめてバリッ!だぜ。」
「違うでしょ? 兜丸さんは数日めくって、後は翌年丸ごとゴミ箱直行じゃないですか。」

 麗羅がすかさず突っ込んだ。

「あ、お前そーいうこと言う!?」
「兜丸さんの部屋のカレンダーは可哀想ですよ。役に立つのは最初の5枚だけで、残りの360枚は日の目を見ることが出来ないんですから。」
「馬鹿言えお前、自分の誕生日くらいはちゃんとめくって悦に入るぜ!?」
「うわっ、さみしー人!」
「くぉら麗羅っっ!!」

 騒がしい二人をよそに、項羽がするりと室内へ滑り込んだ。

「あ、項羽!」

 そのまま彼は脇目も振らずにカレンダーに近寄り、壁から外して一枚ずつ中身を確認した。が、その表情は即座に落胆の色に変わった。

2009-06-14 09:00

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