桜恋唄
幽遊白書・黒鵺×蔵馬中心、桜枝真央の同人的創作の館

RSS0.91 | RSS2.0 || 桜恋唄 (HOME) » 桜恋唄文芸集 » Our Promise Still Holds » Found It - 第2章 帰還 [2]

Found It - 第2章 帰還 [2]

Contents

contents

竜魔を訪ねてきた女性の正体は…そう、原作では男のあの人です (苦笑

「何か御用ですか。」

 駆け寄ると総帥は頷き、急に声を潜めた。

「火急の用件だ。他の皆には秘密で向かってほしい。」
「任務、ですか?」
「別に誰でもいいのが工事現場から男手を動かしたくなくてな。とは言え、罠の可能性を考えるとくノ一を使うのは躊躇われる。」

 怪訝な顔の私を見て、竜魔が口を挟んだ。

「大した任務ではない。ある場所に行き、ある情報が事実かどうか確認してきてほしいんだ。」
「ある情報?」
「行けば分かる。それが真実ならばな。」
「なに?」

 追求を阻むように総帥が再び口を開いた。

「とにかく、指示する場所に急いで向かってくれ。確認が取れ次第、お前の判断で最善の策を採って帰ってきてほしい。」
「?……」
「では頼んだぞ。」

 それ以上彼は何も語らず、呆気に取られる私を置いて自分のテントへと引き返していった。

「おい何なんだ一体。そんなに口にしにくい情報なのか?」

 早速竜魔に噛みつくと彼は小さく首を振った。

「そういう訳ではないが、他の連中に漏れて、しかも誤報だった場合に収拾が厄介だからだ。」
「何だか知らんが勿体ぶりすぎだ。まさか、例の女が絡んでいるんじゃないだろうな?」
「霧風!」

 途端、竜魔の顔が赤くなった。
 死紋の乱の直後、ひと月ほど前のこと。一人の女が突然、風魔の里を訪ねてきた。「訪ねてきた」というより「忍んできた」という方が的確だろう。竜魔に内密の用があったらしく、たまたま里の外れで二人きり語らうのを見かけた私以外は彼女の来訪自体知らないはずだ。勿論私はこの件について後から竜魔を問い詰めたのだが、

『あいつは同業者だっ。オレ達が情報交換していたことは誰にも言うなよ!』

 と鬼の形相で口止めされてしまった。相手がいかつい男なら納得もするが妙齢の女となれば話は別だ。こんな山奥にふらりと来られる辺り「同業者」には違いないが、密談の内容が本当に「情報交換」だったかどうかは疑わしい。

「とにかく、行ってほしい場所はここだ。」

 竜魔が地図を取り出した。何処かの街の一角に赤いペンで×印と「佐々原」なる名前が書き込まれている。

「ここにあるのは一般の住宅だ。一日張り込んでこの家の住人を確認してきてほしい。」
「素行調査か?」
「そこまでする必要はない。会えばすぐ目的は分かるはずだ。」
「だから何が目的なんだ。」
「行けば分かる。済まん、今はそれしか言えない。」
「何も分からなかった場合は?」
「その時はすぐ戻ってきて、そう報告してくれればいい。」

 竜魔は地図を私に差し出し、建設中の倉庫へ去っていった。

「どうした、任務か?」

 すかさず小龍が近づいてきて地図を覗き込んだ。秘密と言い渡されたものの、私自身何も聞かされていないため隠す気にもなれなかった。

2009-06-14 09:00

||

コメント

まだコメントはありません。

このアイテムは閲覧専用です。コメントの投稿、投票はできません。

桜恋唄について | 管理人について | サークル情報 | サイトマップ